働き方改革は何をもたらすのか?

働き方改革は働く人の意識を変えた?!

約1年前に働き方改革について2回に分けてコラムを書きました。
「働き方改革って何なの?」
「働き方改革って何なの?パート2」

その中で私は「働くことへの価値観が変化する」という点を指摘しました。

引用します。

・働くことへの価値観が変化する
「仕事は労働」というドライな価値観が若い人に誤って伝わる危険があると思います。会社と労働者がギブアンドテイクのみの関係になると人のお役に立ちたいと言った健全な社風が育ち難くなるのではないか?と感じます。本来であれば、これらの取り組みは会社と現場が協力して作り上げなければいけないものです。そうした良好な関係を構築できない企業はやはり淘汰されていくでしょう。

さて、1年が経ちどのような変化が起きたでしょうか?

人材採用を支援するエン・ジャパン株式会社が定期的に「転職理由の本音と建前」アンケートを行なっています。過去のアンケートでは、建前の理由は「家庭の事情」、本音の理由は毎回ダントツで「人間関係」でした。
2016年2月にリリースされた記事
「退職理由のホンネとタテマエ会社に伝えた退職理由は「家庭の都合」、実際は…?」

そして、こちらが2019年3月にリリースされた記事です。
「転職コンサルタント100人に聞いた! 転職理由の「本音」と「建前」」

ここでの建前の理由は「仕事の領域を広げたい」、そして本音の理由は何と「報酬をあげたい」でした。実に57%の人がそう回答したというのです。アンケート対象がミドルクラスの方々という点でステップアップの意識が色濃く出たと推測できますが、会社の次代を担う人がこのように考えているのかと思うと寂しく感じます。

当然ながら働く人にとって報酬はとても大切なものです。それは今も昔も変わりません。しかしここに来て「報酬」が転職理由のダントツ1位になることに少なからずショックを受けました。

ここのところ話題の「老後に必要な資金は2000万円」というニュースを聞けば、そう考える方がさらに増えるのではと感じます。もちろん働き方改革が、働く人の意識を変えたとは言い切れませんが、大きな影響を与えたことは疑う余地はありません。

当たり前のことが当たり前にできる会社が生き残る

働き方改革の趣旨は、今後減少する労働人口をカバーするために、女性やご年配の方々、外国人などが働ける多様性を持った社会を作ることです。同時にワークライフバランスによって生活の質を高めることを目的としています。

これは人口減少時代を迎える日本全体の課題です。人口減少によって社会の経済規模を縮小させ、同時に高齢者の社会保障費は膨れ上がります。迫り来る困難を乗り越えるためには自己防衛として高い報酬を求めることは自然な流れかもしれません。

そう考えると企業側が考えなければいけないことは、お客さまにも働く人にも選ばれる会社になることです。高い品質によって、高い価値を提供し、十分な対価をいただく。それが働く人の生活をより良くしていく。

多くの人が分かっているこのシンプルな理想は、実際にはなかなか実現しません。当たり前のことを当たり前に行うことはとても難しいことなのです。

そこで参考になるのが以下の情報です。これはgoogleが「効果的なチーム」について研究した成果を公開しているコンテンツです。ここで注目すべき点は、「心理的安全性」という概念です。チームの仲間が自己開示して、新しいことや難しいことにチャレンジできる環境を指すものです。また、2番目にお互いの仕事を信頼しあう相互信頼をあげています。

reWork
出展)re:Work「効果的なチームとは何か」を知る

退職理由の本音でずっと1位だった「人間関係」はやはりとても大切なものであると言えます。会社はその事業によって働く人を幸せにする責任があります。その幸せのスタートラインは「ここが自分の場所なんだ!」と思える環境をお互いの努力によって作ること、「そのために頑張ろう」そう思える環境を作ること、会社はここから目を背けてはいけないと思います。

当たり前のことを当たり前にできる会社を目指したいですね。