クリエイティブにはたらくコラム「なぜ電話受付を終了したのか?その想い」

なぜ電話受付を無くしたのか?

エクストでは創業時から電話対応をとても大切にしてきました。ファーストコールで受話器を取る、自社名と自分の名前をキチンと名乗ること、丁寧に応対することなどを心掛けてきました。質実剛健という理念に基づいた経営姿勢を表す上でIT事業者だからこそアナログの接点を大切にしようという想いも強かったと思います。

今回は、そんなエクストがなぜ電話受付を止めるに至ったのか?を赤裸々にお伝えしたいと思います。

1、生産性を下げる最大の要因は営業電話
日頃、電話応対をしない方々にとっては全く意識しない事だと思いますが、営業電話の件数は尋常ではありません。実際、エクストの過去半年間の着信履歴を分析してみると、実に60.4%が営業電話だったのです。エクストでは一度着信した営業電話は登録して受信しないようにしているので他社さんではもっと多いかもしれません。

電話を設置し、仕事の手を止めて、電話を受け、要件を聞き、嫌な想いをしながらしつこい勧誘をお断りする時間をコストに換算したら一体どれくらいの金額になるのか?そこでその時間を自社の商品サービスの品質向上に向ける決断をしたのが一つ目の理由です。

2、多様な働き方への対応
エクストでは、ここ数年、多様な働き方の実践に向けて様々な取り組みを実験してきました。そのうちの一つがテレワークです。テレワークの利点は、通勤退勤時の移動時間がゼロになる事で、時間を有効に使えることやラッシュによるストレスから解放される点です。また自分の仕事に集中できるため業務効率が高まる効果もあるでしょう。

実際エクストでは、週2回出勤で後はテレワークのエンジニアさんやスノーボードが趣味のご夫婦がニセコに移住しテレワークでSONR.の開発やWEBデザインのお仕事をしていたり、デザイナーが夫婦で沖縄に期限付き移住していたり、子育て中のスタッフが保育所の行事などに合わせてテレワークを活用しながら働いてくれていたりと多種多様な価値観を取り入れる事ができています。これが二つ目の理由です。

3、スタッフ間の業務の偏りへの対応
そうするとそれに伴って課題も出てきます。一つは、テレワークの増加によって事務所に人がいない日時が出てくる点です。もう一つは、出社するスタッフは電話受付は元より、郵便物の受け取りや来客対応、掃除などの整理整頓など、会社にいるからこそ発生する様々な雑務に対応しなければいけない点です。そこでテレワークの日をスタッフ同士で調整したりしながら工夫をしていましたが、テレワーク中心のスタッフと出社中心のスタッフではどうしてもこうした雑務の偏りが発生してしまいます。

エクストでは、総務・経理といった間接業務は可能な限りクラウド化し、できない部分はアウトソースしています。そのため専門にそれを行う部署がなく社内業務は全員で分担しながら進めています。そしてその多くの時間が電話受付によるものだったのです。このように電話応対のために発生する業務の偏りを解消するためというのが三つの目の理由です。

どのようにそれを実現したのか?

今回の決断でもっとも難しかったのはお客さまの利便性を損なう事です。自社側の視点から見れば合理的な事でもお客さまから見ればサービス低下と感じる部分が大いにあると思います。

そこで時間をかけて段階的に電話受付業務の改革を行なっていきました。そのステップを簡単にご紹介します。

1、電話システムの刷新
2016年9月より、テレワークに対応するためにクラウドPBXを導入しました。PBXとは電話の構内交換機の事です。複数電話の着信や内線電話などを利用するためにシステムフォンを導入している会社も多いと思いますが、クラウドPBXはそれをインターネット回線を通じて実現するサービスです。例えば、本社で着信した電話を内線通話として外にいるスタッフのスマホに転送したり、一つの拠点で東京、大阪などの複数拠点の電話番号を受信できたりします。テレワークの利用者が全国に増えてもローコストで電話回線網を構築する事ができるようになりました。

2、SONR.によるコミュニケーションを推進
次にお客さまとのやり取りはメールではなくクラウド型コミュニケーションツールSONR.で行うことを徹底しました。現在ではほぼ100%のお客さまとSONR.を通じてコミュニケーションを取っています。この事で細かなご要望を一つずつ効率的にお応えする仕組みが出来上がりました。結果として電話によるお問い合わせが激減しました。

3、時差出勤に伴う受付時間の短縮
2017年2月に時差出勤制度を導入しました。これは10時から16時をコアタイムとして自由に出勤できる制度です。7時に出勤すれば16時に退社、10時に出勤すれば19時に退社する事ができます。そのために、電話受付をコアタイムのみとしました。この事で電話受付時間を33%削減する事ができました。

4、ビジョンデイによる木曜日電話受付の終了
2018年8月より毎週木曜日をビジョンデイと定め、社内のミーティングや勉強会をすべてこの日に行うようにしました。それに伴い毎週木曜日は電話受付を終了しました。これでフルタイムの受付より50%ほど受付時間を短縮した計算になりました。

5、全日程の電話受付終了
2019年3月、電話受付を全面的に終了しました。

上記のように、電話からクラウドツールに少しずつ移行しながらお客さまに極力ご不便をお掛けしないように3回に分けて短縮を行なってきました。電話受付に対するご要望もまだまだあるとは思いますが、これを機にさらなるサービス向上に努めていきます。

なお、電話でのコミュニケーション自体を終了した訳ではありませんので、こちらからの折り返し電話やWEB会議などはこれまで通り行います。

この取り組みが生産性を向上させる上でどのような変化を生み出したかについては、このコラムで情報としてお届けしていきたいと思います。